AI時代の余白

8/15の面談を振り返って、ふと思った。
なぜあのデザイナーの方は、「ぶるーにゅう(仮)」というブランドキャラクターの印象が強かったのか。
正直に言えば、ブランドキャラクター作成なんて、ビジネス的には意味が強くあるわけではない。ROIは測定できないし、売上に直結するわけでもない。工数を考えれば、もっと「意味のある」ことに時間を使うべきである。
じゃあ、なぜ作ったのか?
それは「余白」だったからだ。現代のビジネスにおいては、すべてに意味を求める。KPIを設定し、費用対効果を説明し、論理的な理由を用意する。無駄は徹底的に排除される。
AI時代において、この傾向はさらに加速していて、AIは「意味のあること」を効率的にこなしてくれる。資料作成も、データ分析も、定型的なやり取りも。
でも、AI時代だからこそ、はっきりと「意味のないもの」の輪郭が見えてきた。
AIが効率化してくれるものは、誰がやっても同じ、テンプレート化できる、自動化できる。そういうものだった。
一方で、ぶるーにゅう(仮)のような一見無意味な余白は、予想外の化学反応を起こしていて、一番記憶に残り、会話のきっかけとなり、時間をオーバーするほど話が盛り上がった。
余白があるから、相手の素が見える。 余白があるから、人間性が伝わる。 余白があるから、心が動く。
意味のあることを求めることは大切だが、意味だけで埋め尽くされた世界は息苦しい。
AI時代だからこそ、人間にしかできない「意味のない余白づくり」が、逆説的に最も意味のあることではないかという問いである。また西村さんと話そう。
結局、ビジネスも人と人。ガチガチに意味で固めた完璧な資料より、ちょっとした遊び心のあるキャラクターの方が、人の記憶に残る。