Edge AI(エッジAI)
クラウドではなくデバイス側(エッジ)でAI推論を実行する技術。レイテンシ削減、プライバシー保護、通信コスト削減を実現し、IoT、自動運転、AR/VRで活用。
定義
エッジAIの技術革新
エッジAIは、ネットワークエッジに配置されたデバイスでAI推論を実行し、ミリ秒レベルの超低レイテンシと高度なプライバシー保護を実現。5G、WiFi 6と連携してリアルタイムAIアプリケーションを可能にします。
ハードウェア進化
- Neural Processing Unit(NPU):専用AI推論チップ
- NVIDIA Jetson Orin:275 TOPS、AGX/NX/Nanoシリーズ
- Google Coral:TPU搭載、4 TOPS、USB/M.2接続
- Intel Movidius:VPU(Vision Processing Unit)
具体例
モデル最適化技術
- 量子化:INT8/INT4で90%+のメモリ削減、2-4倍高速化
- プルーニング:不要な重みの除去、50-90%スパース化
- 知識蒸留:大型モデルから小型モデルへの知識転移
- Neural Architecture Search:ハードウェア最適化アーキテクチャ
ランタイム最適化
- TensorRT:NVIDIA GPU推論最適化、10倍高速化
- OpenVINO:Intel CPU/VPU最適化ランタイム
- ONNX Runtime:クロスプラットフォーム推論
- TensorFlow Lite:モバイル/IoT向け軽量ランタイム
活用事例
産業レベル実装
- 自動運転:ADAS Level 2+、リアルタイム物体検知(10-30ms)
- スマートファクトリー:品質検査、予知保全、安全監視
- リテール:レジレス決済、在庫管理、顧客行動分析
- ヘルスケア:ウェアラブル診断、医療画像解析
- スマートシティ:交通最適化、環境監視、防犯システム
アーキテクチャパターン
- デバイス推論:完全ローカル処理、プライバシー最優先
- ハイブリッド推論:エッジ+クラウド協調処理
- フェデレーテッドラーニング:分散学習、データ非集約
関連概念
エッジクラウド連携では、AWS IoT Greengrass、Azure IoT Edge、Google Cloud IoT Coreで統合管理。Kubernetes K3s、OpenShiftでコンテナオーケストレーション。OTA(Over-The-Air)アップデートによるモデル更新が重要。
開発・運用課題
- デバイス管理:大規模フリート管理、リモート監視
- モデル更新:A/Bテスト、段階的ロールアウト
- セキュリティ:TEE(Trusted Execution Environment)
- 電力効率:Dynamic Voltage Scaling、スリープモード
📝 要約
クラウドではなくデバイス側(エッジ)でAI推論を実行する技術。レイテンシ削減、プライバシー保護、通信コスト削減を実現し、IoT、自動運転、AR/VRで活用。